「魔女の月」チャプター 2 12月4日(UTC+0)より開幕

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動くおもちゃ1313号行動報告

当該の動くおもちゃは収容エリアへ送還された。フロックハート警官は一時停職処分となり、調査結果を待つこととなった。

動くおもちゃ1313号回収作戦

14:00の定例点検において、動くおもちゃ1313号が行方不明であると報告された。所属していた保管施設(いわゆる「おもちゃ箱」)内で当該個体は確認されなかった。監視映像によれば、警備員のひとりであるカリオペ・フロックハート警官(24歳)が規則に違反し、ハンドバッグを携えたまま玩具区画に入っていた。彼女は明らかに知らぬまま動くおもちゃ1313号を施設の外へ持ち出してしまい、彼女自身の本物のハンドバッグは動くおもちゃ723号のソファクッションの下で発見された。フロックハート警官が「自分のバッグ」から化粧ポーチを取り出そうとした際、動くおもちゃ1313号はスケートボードへと変化し、そのまま逃走した。

警官たちはグルナイト放射探知機と監視カメラを用いて、そのスケートボードを追跡した。対象は警官の接近を察知したようで、姿を小さな包みに変え、マリスコタワー・マンションに住む住民、38歳のエヴィータ・グリーンの玄関先に現れた。グリーンはごく自然にその包みを自宅へ持ち込んでしまった。

その後、動くおもちゃはグリーンを弄び始めたが、彼女は侵入にまったく気付いていなかった。グリーンが来客のために2LDKのマンションを整えている最中、動くおもちゃは彼女が並べたばかりの物を次々とすり替えていった。入れ替えられた物には、圧力鍋、ゲームコントローラー、掃除ロボット、各種の下着、さらには鉢植えまで含まれていた。最終的にグリーンはマンションから逃げ出したが、警察に通報したのは従兄のトニー・スウィート(42歳)の家に着いてからだった。どうやらトニーが動くおもちゃについて何らかの知識を持っていたため、その助言を受けて通報に踏み切ったものと思われる。

スウィートのアパートを出た後、グリーンは次の異常に気付いた。車に積んでいたはずの交換用スペアタイヤが消えていたのだ。これが動くおもちゃ1313号の次なる行動であった。しかし、その後の変身が捕獲へとつながった。グリーンの車載フロントカメラは、毛並みのあるウサギのぬいぐるみが車の脇を歩き去り、小さなシンバルを叩いている様子を捉えていた。そのぬいぐるみが横断歩道を渡った瞬間、交通管制用のドローンがすぐにそれを検知したのである。さらに、車両は動くおもちゃ1313号を小型の人間と誤認識し、急制動をかけたことで交通渋滞が発生した。最終的に、ホバーボードに乗った警官たちがわずか2分でこの暴走した動くおもちゃを取り押さえ、街角まで残り350メートルという地点で捕獲に成功した。

当該の動くおもちゃは収容エリアへ送還された。フロックハート警官は一時停職処分となり、調査結果を待つこととなった。