舞台裏の対話
じゃあちゃんと保管しておくのよ!いつか必要になる日が来るかもしれないし、私たちが破壊しなければならない日が来るかもしれない。
琉璃:それ、何?
フェイト:何が?
琉璃:さっき背中に隠したやつ。
フェイト:別に。
琉璃:私の前で嘘は通じないわよ。
フェイト:(咳払い)えっと……これは……まあいいわ。これは私の父が姿を消した時に残していったものよ。
琉璃:嘘!これが……!——見たことがあるわ、天玄会の秘密の部屋で!
フェイト:あの古臭い老人どもの?
琉璃:本当に、お父さんから渡されたものなの?
フェイト:待って、先に質問に答えて。天玄会で何をしてたの?
琉璃:彼ら、私を仲間に引き入れようとしたの。
フェイト:はっ。あそこはランサーと普通の人間の交流を妨げたい、変な老人の集まりだと思っていたわ。
琉璃:確かにちょっと奇妙で、私もあそこにいるのは居心地が悪かったけど……それを持ち出したこと、本当にあなたのお父さんに許されていたの?
フェイト:私はあの老人どもより、自分の父を信じる。
琉璃:それの作用、知ってる?
フェイト:知らない。逆に知ってんの?
琉璃:私もはっきりとは分からない。でも、彼らはすごく強いって言ってた。具体的なことは教えてくれなかったけど。たぶん彼らもその真の力を把握していないのかもね。
フェイト:時々、特別な力を見せてくるのよね。ケプラーのランサーに追われてた時、それがそのうちの一人を……一時的に別の場所へ送ったことがある。
琉璃:この物にまつわる歌を知ってるんだけど、その歌では中に……宇宙の種があるって歌われているの。その種を使えば、新しい宇宙を育てられる。でもそれは水と温もりを待つ種のように、眠っている。
フェイト:これが、父が私に残してくれた唯一の物よ。
琉璃:分かった。じゃあちゃんと保管しておくのよ!いつか必要になる日が来るかもしれないし、私たちが破壊しなければならない日が来るかもしれない。
フェイト:そうね。誰にも分からない。
琉璃:ええ、誰にも分からない。