#シャード調査ファイル
私に故郷の話を……させたいと?それは日常的な行動審査の一環でしょうか。規程に、そんな項目がありましたか?
……いえ、わかりました。では、率直にどうぞ。
私はニンフ、ランサーとしてのコードネームは「琉璃」。本題に入りましょう。あなたが本当に聞きたいのは、別のことですよね?もっと具体的なことを聞いてください。私の故郷の雑談などではなく。それが本当に知りたいことなら、どうぞ。答えてあげます。ただし、とぼけたり、事実を隠したりしなでくださいね、先生。私は音楽家であると同時に、今は戦士でもありますから。こうしてまだ席に座り、あなたの無礼を黙って受け流していること自体、私からの最大の敬意なのです。その点は感謝していただきたいですね。
-シャード「ヨン」の現状
残念ながら、大崩壊が起きてから、私はずっと新世界に留まっており、「ヨン」には戻っていません。私の知る限りでは、「ヨン」のいくつかの都市国家は引き裂かれ、界外のシャードとなっています。天玄会の管理下で、「ヨン」の住民たちはそれらのシャード上で比較的安定した生活を続けているようです。ただし、この情報については、ご自身で確かめることをお勧めします。新世界ではすでに神の洞窟とシャドウタウンが発見されていますが、その2つの状況がシャード群全体を代表しているわけではありません。もし「渓陽」の都市を見つけることができれば、「ヨン」の社会は、私の口からの説明以上に具体的な理解が得られるはずです。
-洞天の特別な点について
洞天は、かつて天玄会の支部の1つで、鍛造や機巧技術で名を馳せており、顔先生もしばしば研究のために訪れていました。ん?ああ、顔先生とは「フェイト」の父のことです。あなたの手元の資料にも、はっきりそう書かれているはずです。
-グルナイトと「奇術」との関わり
そう、「ヨン」では、グルナイトを用いて発動する力を「奇術」と呼んでいました。簡単な奇術であれば、一般の人々でも道具を介して使うことはできます。けれども、基本的に奇術を自在に扱えるのはランサーだけの特権でした。ただし、「ヨン」におけるランサーの立場は少し特殊です。人々に知られることのない、秘された存在。中には彼らを「仙」、つまり伝説に語られる不老不死の超常の一族と呼ぶ者もいました。
-天玄会とは?「ヨン」で大崩壊が起きたのはなぜか?それはフェイトの手にある遺物と関わりがあるのか?
天玄会は、「ヨン」において奇術に関わる事柄を管轄し、処理する機関であり、同時にランサーを管理する組織でもあります。それ以上のことについては、申し上げられません。今後とも調査を続けてください。私自身もその答えを知りたいので。
さて、この対話を終える前に……一つ覚えておいてください。今日、私が協力したのは、あなたから敵意を感じなかったからに過ぎません。次は、どうか日常の審査などと偽って呼び出すのはやめてください。私は誰に対しても力を尽くすつもりです——自惚れた嘘つきは除いて。あなたがケプラーから来た者であろうと、東谷の出身であろうと、あるいはランサー協会の情報部に属していようと、報告の最後には必ずこう記しておいてください。琉璃は見かけほど従順ではない、と。
——ランサー「琉璃」とのインタビュー記録より抜粋