#シャード学基礎講座02
やっほー、また会えたわね、私のモレルちゃんたち!今日はシャード学の基礎について、続きをお話ししようと思ってるの。前回の内容をどれだけ覚えているかなんて、私には関係ないわ。私の講義はね、時代と同じで、おバカさんが追いつくのを待ったりなんかしないのよ。
さて、課題についてだけど……ふふ、誰一人として提出してないのね。私の授業、まったく理解されてなかったってことかしら?でも、それはそれで悪くないわね。
じゃあ、少しおさらいしておきましょうか。「シャード学」とは界外全体と、それに関わる物質を対象とした、新しい自然科学の一分野よ。研究対象には、グルナイト、シャード、そしてランサーなどが含まれるけど……本当に重要なのは「大崩壊」の解明なの。信じるかどうかはあなた次第だけど、私たちは今に至るまで、この災厄が何だったのか、なぜ起きたのか、そして将来また起こり得るのかさえ、何一つわかっていないのよ。すべてが謎に包まれたままなの。大崩壊に関する映像記録なんてほとんど残されていないし、生き残った人たちの証言だって役に立たないものばかり。「空が急に明るくなった」とか「世界がひっくり返った気がした」とか「気づいたらここにいた」……とか。
大崩壊について、現時点で私たちが把握している事実をまとめておきましょう。
-大崩壊の発生には、グルナイトが関係している可能性が高い。各研究機関が公表したデータ記録によれば、大崩壊が発生する直前、新世界におけるグルナイト濃度が急激に上昇していたことが確認されているの。あの瞬間、膨大な量のグルナイトが新世界の座標へと流れ込んだ……あるいは、むしろグルナイトの作用によって、新世界そのものが界外へテレポートされたのかも。
-大崩壊は、複数の並行宇宙でもほぼ同時に発生していた。バラムトク、アシール、ケメットなど……異なる次元に存在するこれらの宇宙でも、大崩壊に相当する現象が観測されているわ。しかも、それらはほぼ同時に起きていたようなの。大崩壊は、もともと別々の世界に存在していた大地や惑星を、強制的に界外へとテレポートさせた。空間そのものを引き裂くような激しい干渉の中で、それらの星々は粉々に砕け、私たちが今シャードと呼んでいる断片となったの。
-本来なら、この話は機密扱いのはずなのだけれど、ケプラーのあの手の制度なんて、凡人をビビらせるための飾りに過ぎない。私は科学のためなら、どんなルールだって、破ってみせる。それに、あの人たちが私にとって脅威になることなんて、ほとんどないわ。さて、現在ケプラーが疑っているのは、「災厄装置」と呼ばれる一群の物体こそが、大崩壊を引き起こした真の原因なのではないか、ということ。名前を聞いただけで、ろくでもない代物ってわかるでしょ。あなたたちも、もう何個か目にしているかもしれないわね。あるいは、すでにいくつかの企業がそれを巡って、裏で非合法な争奪戦を繰り広げている様子を見かけたことがあるかも。私の雇い主も、これらの装置に強い関心を持っている。でも、狙っているのは彼らだけじゃないのよ。あらあら、ブローカー、そんなに熱くならないで。あなたが何かを知っているのかもしれないけれど、私はそれ以上のことは、何も知らないの。
もしかしたら、いつの日か、私たち科学の巡礼者が大崩壊の真実の姿を解き明かす日が来るかもしれない。でも、それは少なくとも、今日じゃないわね。というか、大崩壊を研究すること自体が、さらなる災厄を引き起こす可能性だってあるんじゃない?ふふ、その時が来るのが楽しみだわ。
――ジーン・ヴァークレン、「科学の魔女」「マッシュ」より