マリアナ:捨てられし民の侵略史
シャード調査ファイル
#シャード調査ファイル
以下の内容は、マリアナ文明に残された資料、多数のサバイバーへのインタビュー、およびマリアナ・シャードから収集された証拠をもとに編集・整理されたものである。
「捨てられし民」とは、マリアナ人が資料に記したこの侵略者たちの自称である。発声方法の違いにより、いまだにこの侵略者たちの言語を翻訳できておらず、この「捨てられし民」という名前は記録者の主観的な解釈が含まれている。侵略者は、自らの口を擦り合わせることで発声しており、この発声パターンは地球上で「コオロギ」と呼ばれる種に似ている。
マリアナに残されたごくわずかな資料によれば 捨てられし民は「大崩壊」の十年前にはすでにマリアナの海洋に転送され、遠く離れた海域で機をうかがいながら潜伏していた。最初に彼らの痕跡を目撃したのは、マリアナの小隊だった。そして深く隠された海底基地を発見した。マリアナ人は、知的生命体との接触を試みたが、複数の使者を送り出したにもかかわらず、帰ってくるものは誰一人いなかった。斥候が送ってきた暗号通信によって、マリアナ人は「捨てられし民」が危険な好戦種族であり、いつ攻撃を仕掛けてきてもおかしくないことをようやく認識した。
何かを察知したのか、捨てられし民は即座にマリアナへの全面侵攻を開始した。戦火は深海から浅瀬へと広がった。捨てられし民は巨大な鋏と硬い甲殻を持っていたため、近接戦闘に秀でていたが、訓練を積んだマリアナの戦士たちはそれに匹敵する強さだった。だが恐ろしいことに、捨てられし民の強さは創造を越えていた。侵略者たちの圧倒的な戦力が記録に残されていた:
-発達したテレポート技術捨てられし民の部隊は、ポータルを通じて何の予兆もなく数千キロ離れた戦場に突如出現し、劣勢になると即座に撤退することができた。
-強力な武器と装備捨てられし民のエネルギー兵器は、マリアナの仮設要塞を瞬時に破壊し、一帯の海水を蒸発させることさえできた。
-邪悪かつ神秘的なバイオテクノロジー捨てられし民の寄生型幼虫は、倒れたマリアナ戦士を自らの仲間に襲いかかる恐ろしい生体兵器に変身させた。このバイオテクノロジーは、異形の生物すら作り出すことができた……
戦争が始まってからおよそ半年後、甚大な損害を受けたマリアナ文明は、狂気じみた戦略を採ることを余儀なくされた。捨て身とも言える作戦の中で、マリアナ人は海底火山を破壊し、海水を酸性化させた。酸性化した海水は捨てられし民の外殻を弱体化させ、彼らの部隊は急速に崩壊した。その後、「捨てられし民」は跡形もなく姿を消し、マリアナはこの戦争に勝利した。
だがマリアナ人にはその勝利を祝う気力もなかった。彼らの故郷は完全に破壊されており、酸性化した海水は今なお彼らの呼吸を痛めつけている。生態系は深刻なダメージを受け、市民の死傷者も膨大で、復興すらままならなかった。さらには「大崩壊」が発生し、マリアナの中心地は空間シャードとなって界外へと転送された。多くの者は、この災厄が捨てられし民の撤退時に引き起こされたものだと考えているが、これはあくまで憶測に過ぎない。
備考:新世界にやってきた後、ランサー「ソナー」は 自分と他のランサーたちの力によって マリアナの物語を警鐘として界外全体に語り継ぎたいと望んでいる。本シリーズの記録は、今後もマリアナの関連情報を記していく予定であり、新世界が同様の脅威に直面した際、この記録が何らかの助けとなれば幸いである。